(1) 遠隔でのオシロスコープの実験
新型コロナウイルスの影響で2020年春学期の授業は全てオンラインでの実施となりました。様々な授業の中でも実験は実際に学生さんに装置を操作してもらうことが教育効果の上で非常に重要です。オンラインでの実験をどうするか、どのように実施すれば少しでも「実験」を体感してもらえるか、と様々な教員で考え、いくつかの実験については、オンラインで実際に学生のみなさんに実験装置を操作してもらっています。今回は、これらオンライン実験について少し紹介したいと思います。
具体的には、事前に分けた3-4人のグループごとに実験室内のVirtual Bench(日本NIオールインワン計測器 VB-8012)に繋がったパソコンにTeam Viewerを用いてリモートログインし、低周波発振器やオシロスコープを操作して実験を行なっています。Team Viewerのチャット機能と通話機能を用いて、グループ内で相談しながら実験を進めることができるので、対面授業で複数人のグループごとに実験を行うのと近いことを行うことができます。
(2) 遠隔での物性実験
また物性実験 (超電導)では、実験室で教員とTAが実際に実験を行い、実験機器の計測画面 (下図の①)と実験全体を表示する画面 (下図の②) の2画面の動画配信を遠隔講義システムVidyoを用いて行なっています。動画を見ながら、学生のみなさんに計測画面から自分で数値を読み取ってもらうことで、個々に実験を体感してもらっています。また、物性実験でもTeamViewerを用いて、リモートで銅線の抵抗測定なども行なっています。
(3) 物理学実験の実験動画等
また、物理学実験では予習用ですが、全学教育物理学実験のビデオ動画も用意しています。オンライン実験の内容と少し異なるテーマも一部ありますが、実験の様子を掴むのにぜひ活用してみてください。また、最近では、例えばオシロスコープのスマートフォン用のアプリが充実していたりします。電気回路の実験は家で難しくても、アプリのオシロスコープを使って、様々な音の波形などを見てみたりしてみてもよいかもしれません。
このようにいくつかの実験では、リモートで実験を行なっています。しかし、実験内容によっては対面授業でないと行うことが難しい実験テーマがあるのも事実です。できることなら、実際に見てもらいたいな、装置に触れてみてもらいたいなと思います。対面授業が再開した際に、あの時オンラインでやった実験の実験機器を目で見てみたい!という学生さんがいらっしゃいましたら、ぜひ物理学実験準備室 (全学教育棟南館S290)を訪ねてみてください。